うわさ話が好きな人の心理と男女の違い
人はうわさ話が好きなもの。特に女性はその傾向が顕著です。一体何が彼女たちを突き動かしているのでしょうか。
中にはうわさ話を悪いものと考えたり、嫌う人もいますが、うわさ話をしたくなるのは人間の根源的欲求であり、社会的コミュニケーションの手段として重要だという考えもあります。
社会的動物である人間は、集団生活の中で他者とうまくやっていかなければなりません。そのために、うわさ話は優れたツールとして役立ちます。情報交換としての機能、ストレスを軽減する効果、会話の中で自分の立ち位置や相手の意見を確認する…様々なメリットがあるのです。
うわさ話は悪いもの?
うわさ話を道徳的に良くないものだと考える人は少なくありませんが、そういう人たちはうわさ話のある一面しか捉えていません。むしろ、その人自身、つい他人の悪口を言ってしまうクセがあることを自覚しているから、そう考えている可能性が高いでしょう。
うわさ話そのものは、生存本能によって起きるものであり、人が生きていくためには重要な役割を持っています。
- たとえ内容が薄いものだとしても、会話をすればそれだけで他者と親交を深める効果がある
- そこにいない人、直接知らない人のことを知ることができる数少ない方法のうちのひとつ
人は仕事をしたり、サークル活動や地域の活動などありとあらゆる行動をする際、常に他の人が何を考えているのかを知るために、本人に直接聞いたり、身辺情報を収集したりするものです。人間らしい社会生活を送るためには、個々人を理解することが不可欠なのですから、当然の流れといえるでしょう。
そうした心理がうわさをすることにつながっていくのです。
これだけの重要な役割を持っているうわさ話を一切しないというのは、無人島で火を焚かずに過ごすくらい非合理的だといえます。
うわさ話をすると快感物質が放出される
うわさ話をするとドーパミンに似た脳内化学物質が放出されることがわかっています。
これにより、不安やストレスを調和するプロゲステロン(黄体ホルモン)の濃度が上昇し、リラックス効果が期待できます。。ですから、うわさ話をするのは生物としては本能に従った自然な行動だともいえる訳です。
道徳的に問題があると考える人もいるでしょう。しかし、ある程度は本能の赴くままに生きていたほうが人間は幸せになれるということもまた事実です。うわさ話をすることで自分がリラックスできて楽しいと感じているのであれば、無理をしてやめる必要はありません。
つい、うわさ話をしたくなる人は、人間関係や社会的な問題でストレスを抱えている可能性があります。我慢せずしっかり解放すべきでしょう。「人間はもともとうわさ話が好きなのだ」と開き直っていいのです。
女性はうわさ話を使いこなすのが上手
うわさ話を好むかどうかには、性差があります。
女性が集まると、うわさ話や世間話が絶えないものです。女性がターゲットの女性週刊誌やワイドショーの内容は、言ってしまえばほとんどがうわさ話です。他人のうわさ話は、女性のために用意されていると言っても過言ではありません。
どうして女性は他人のうわさ話が好きなのでしょうか。
ライオンやキリンは、メスが集団で子育てをします。そのほうが生存に有利だからです。
女性には、女同士が集まって自分たちの身を守ろうとする習性がありますが、これはライオンの子育てと同じ原理。そして、女性同士の集団を維持・運営していくために、情報交換としてうわさ話をする、という流れです。
妊娠~出産~子の独り立ちまでは、自分と子どもだけでは危険なので、集団でいたほうが生存確率が上がります。このことを本能的に感じているのです。
男がうわさ話をあまりしない理由
男性は、うわさ話に接する態度が女性とは逆です。
子孫を残すためには1頭でも多く種付けをしたほうが有利なので、みんなと仲良くするよりも上の立場に立って多くの異性を惹きつけようとし、結果的には他のオスと戦うことになってします。男性が、収入や資産、車や友人の数などをやたら他人と比較して優劣をつけたがるのはそのためです。
うわさ話が好きな男性がいたら、その人は集団で仲良くすることを重視していると考えられます。
すでに子孫を残して戦う必要がないのかもしれません。あるいは、自分の地位を守ることに関心がない草食系男子の可能性が高いでしょう。
うわさ話で自分の立ち位置を知ることができる
うわさ話の多くは、その場にいる誰にも差し障りがなく、しかもみんながそこそこ興味のある内容です。
政治や宗教はデリケートな話題なので迂闊に意見を言えない空気になりますが、他愛もない話であれば余計なことを気にせずに「誰と誰の意見が一致するのか、また自分はこの集団の中でどういう立ち位置なのか」を確かめることができます。
うわさ話は、社会的意義のある交流を可能にする優れたツールなのです。
逆に、ある決められた枠組みの中で深く掘り下げて会話をしたいと考える人にとって、うわさ話は苦痛でしかありません。しかし、くだらない話をする能力も社会で生きていくためには必要なものですから、あまり真面目で正義感が強す過ぎるのも考えものです。
うわさ話に関する心理まとめ
- うわさ話は悪いものではない
- 生存本能に従ったもので、社会的意義のある行動といえる
- うわさ話をすると快感物質が出て、リラックス効果がある
- つまり、うわさ話をしたくなるのはストレスを抱えているから
- 女性は生きるために女同士で集まる。自然発生的にうわさ話が始まる
- 男性はうわさ話をするメリットがあまりない
- うわさ話(他愛もない話)によって自分の立ち位置を確認できる