「どうせ」が口癖の人の心理と特徴
「どうせ」という言葉が口癖になっている人は、自己評価が低く、自分の能力の限界を設定しており、何事もあきらめがちです。
また、自分に対する関心が薄く、消極的。しばしば現実逃避する傾向もあります。
もし、つい「どうせ」を使ってしまう自覚があるのなら、今すぐ改める努力をしたほうが良いでしょう。
「どうせ」の後にはどんな言葉が続くでしょうか。
「どうせできない」「どうせ無理」「どうせやったってムダ」といったマイナス思考の言葉が続きますよね。
「どうせ年だから、もう結婚できない……」「どうせ私みたいな人間が頑張ったってムダ……」
プラスの言葉が続くことは絶対にありませんね。前向きな言葉を続けるのは大変困難です。
「どうせ」という言葉につられて、自分の気持ちや行動がどんどん後ろ向きになってしまいます。
酸っぱいブドウの論理にハマってはいけない
イソップ物語に「酸っぱいブドウ」という話があります。
キツネが美味しそうなブドウが実っている木を見つけ、取ろうとして飛び上がります。しかし、何度挑戦しても届きません。
結局、最後まで採ることが出来ず、諦めることしました。
そこでキツネは自分を納得させるために、「どうせ、あのブドウは酸っぱくて不味いに違いない。無理して採る必要なんてないのだ」と思うことにしたのです。
理想と現実のギャップを埋め合わせるため、自分に都合の良い理屈を考え出したのです。これを「酸っぱいブドウの論理」といいます。
何か良くないことが起きたとき、「どうせ」という言葉を使い原因を自分以外の誰かや何かに押し付ける。そのたびにやる気もなくなり、また次もうまくいかない。
サーカスの象が無気力な性格になってしまう理由
長い期間、辛い環境におかれた人が、その状況から逃れようとすらしなくなる現象を「学習性無力感」といいます。
「頑張ってもうまくいかないから、もう頑張るのをやめよう」と考えるようになり、行動を起こせなくなるのです。
しばしば例に挙がるのが、サーカスに出る象です。
サーカスの象は、人間の命令に従って器用に芸をこなします。しかし、象は身体が大きくて力も強いので、人間なんて簡単に倒せるはずで、逃げようと思えば逃げられるはずです。
なぜ、おとなしく言うことを聞くのでしょうか?
これには人間の調教方法に秘密があります。まだ力のない子どものうちに、象の足を頑丈なロープでつなぎ、暴れても逃げられないことを教え込むのです。
そうすると象は、「どうせいくら頑張っても逃げられない」と思うようになります。
この感覚は象が大人になっても変わりません。大人になれば力もついて簡単に逃げられるのに、「どうせ無理に決っている」と、無気力な性格になってしまっているのです。
小さくても成功体験を積むこと
人間もサーカスの象と同じように、子どもの頃から頑張ってもうまくいかない経験を何度もすると、どんどん消極的になってしまいます。
しかし、それはあくまでも「そのままにしておいた場合」に限られます。小さくても成功体験を重ねれば、「頑張ってもムダ」などとは思わなくなります。
無気力にならず、前向きに生きるためにも「どうせ」という言葉を使わないようにしましょう。