断られないように頼みごとをするためのテクニック
仕事で人に頼みごとをするが苦手だという方は多いと思います。
断られるのではないか、迷惑をかけるのではないか、めんどくさいことを押し付けようとしていると思われるのではないか、といった不安があるのではないでしょうか。
ですが、不安を感じるからといって人に頼むのをやめると、自分の負担は増えるし、仕事は進まないし、何もいいことがありません。
実は、ほんの少し言い方を変えるだけで、驚くほど相手は言うことを聞いてくれるようになります。
「やる、やらない」を決めさせるのではなく「どれをやるか」を選んでもらう方法です。確実にイエスを引き出し、相手に進んで行動をしてもらうことが可能になります。
断られないテクニック。やる前提でお願いする
頼みごとをしたときに、確実に引き受けてもらえるやり方の1つに、誤前提提示というものがあります。
誤前提提示とは、文字通り「誤った前提」を提示すること。相手が頼みごとを引き受けるのが既に決まっている前提で話を持ちかけて、答えを選ばせる方法です。
「やるかやらないか」を答える質問ではなく、「どれをやるか」を選ばせる質問をすることで、相手を誘導し、頼みごとを聞いてもらえるようになります。よほど無理な頼みでない限り、十中八九、相手は引き受けてくれるでしょう。
上手に誘導されれば、人は自然に行動を起こす
「誘導する」というと言葉が悪いような気がしますが、状況によっては必要なことです。むしろ、自分が相手を誘導しないと逆に自分がどんどん不利な状況に追い込まれてしまうでしょう。どんな仕事でも共通している原理原則です。
人間は誰しも1人では何もできません。必ず他者と協力しなければいけないのです。ですから、できるだけ自分にとって心理的負担を少なくして他者の協力を仰ぐ方法を身につけることが重要になってきます。
人は選択肢を与えられると、自然とその中からどれかを選んでしまう傾向があります。そして、漠然とした質問よりも、具体的な質問をしたほうが、答えやすいものです。
答えることに負担がないと感じれば、人はすんなり答えますし、答えたあとは自分の言葉通りの行動をとるようになります。質問に答えてから行動まで、スムーズに誘導してあげれば良いのです。
人はめんどくさいことが嫌い。楽なことが好き
人は「考えるのがめんどくさい」という心理を持っています。なぜなら、あれこれ思考すると頭が疲れるからです。疲れることを嫌い、楽なほうへ引きずられるようにできているのです。
「食事に行かない?」だと、言われた相手は「食事に行くのかどうか」「なぜ誘ってきたのだろう?」「行くとしたらどこで、何を食べるの?」「断りたい。なんて言おうか…」などと、瞬時に様々なことを考えなければなりません。
ところが、「中華とイタリアン、どっち食べる?」「遊園地と動物園、どっちに行く?」のように選択肢を絞って聞かれた場合は、2つのうち1つを選ぶだけですから、考えることが少なくて済むのでとても楽です。
「楽だ」と感じると、人はすんなりと質問に答えてしまいます。
そして、「行く」と答えてしまったから行かざるを得ない。言った後から断るための理由を考えるのも面倒になります。だったら、行って楽しむ方法を考えることに労力を費やそうか、ということになるのです。
「行く」と口に出してしまった後は、それほど抵抗もなく相手の要求を飲むようになります。
行くかどうか迷ってしまうような質問とは、スタート地点が違うのです。
頼みごとがうまくいかない人の多くは、質問のスタート地点が後ろ過ぎることが原因だと言えるでしょう。