メリットだけでなくデメリットも説明したほうが良い心理的な理由
どんな商品にも長所がありますが、短所も必ずあります。
商品などについて説明する際、対象のメリットだけを強調することは片面提示、メリットとデメリットの両方を伝えることは両面提示と呼ばれています。それぞれ効果的なシーンは違います。
このページでは後者の両面表示、メリットだけでなくデメリットも伝える効果を解説します。
メリットだけでなくデメリットも説明することで信頼感・納得感が増す
あなたはメガネ屋さんです。素材が軽くてフレームも細くて目立たない、しかしその分耐久性が低くて落としたりすると壊れやすい眼鏡を売ろうとしています。
お客さんに対して、「このメガネはとても軽くて目立ちません」とだけ説明するのが片面提示で、「このメガネは衝撃には弱いですが、とても軽くて目立ちません」というのが両面表示です。
デメリットを説明して納得感アップ
商品のデメリットを知りたいというお客さんは多いです。
デメリットを受け入れてもそれを買いたいと思うかどうかを自問自答し、納得して買いたいからです。
最高のパターンとしては、「この商品には壊れやすいというデメリットがある。でも自分はそんなに激しい使い方をする訳ではないから十分許容範囲だろう。軽くて目立たないことのほうが、自分にとっては大切なポイントだ」というようなケースがあるでしょう。
メリットとデメリットは表裏一体である。軽さと頑丈さの両立は不可能だ。今回は自分は軽さを取ったのだ。
デメリットを知ることで、自分にとっての買い材料が1つ増えたのです。
メリットしか言わないときの良くないところ
相手が対象についての知識をあまり持っていない、かつ「今すぐその商品が必要でとにかく買いたいと思っている」ような場合、片面提示は効果的です。
緊急性があるので、いちいち細かい説明をされるほうが苦痛でしょう。
ただし、あとでデメリットを知ってしまったときクレームにつながる場合もあります。ただ単に知識がないから買っただけで、「知っていたら買わなかったのに」と思われてしまいます。
メガネをぶつけたり落としたりして壊れてしまったときに、「確かに軽くて目立たないけど、こんなに壊れやすいなんて!」ということが起きるかもしれませんし、壊れやすいということを故意に黙ってんじゃないの?と疑われたりすることもあるでしょう。
人によってはメリットばかりを強調されると、何か裏があるのではないかと不安になってしまうパターンもあります。
長期的にはデメリットも説明したほうが良い
一般的に、両面表示のほうが相手から納得も信頼もしてもらえて、長期的には効果が高くなります。
デメリットも説明してくれるからこそ信頼できる、と思ってもらえる可能性が高くなるのです。
「このメガネは衝撃には弱いですが…」という一言があれば、相手もそのメガネをより注意深く扱ってくれるでしょうし、壊れたときにも「仕方がない」と思ってくれることが多いでしょう。
説明されていない、想定していない悪いことが起きると、人間はストレス・苦痛を感じます。
事前にわかっていれば、その衝撃も少なく済むのです。
デメリットは先に言う。
この場合に注意すべきなのは、伝え方です。基本的には悪い面を先に伝えるほうがよいでしょう。
「こういうデメリットがありますが、このような大きなメリットがあります」のような伝え方をするほうがより効果的です。
デメリットを説明されて、それで買わないというお客さんなのであれば、無理して追いかける必要もありません。あえてふるいにかけるほうが良いのです。
購買意欲の低いお客さんの説得に時間をかけるよりも、デメリットを受け入れてくれるお客さんに力を注ぐほうが効率的です。
また、デメリットが気に食わなかったお客さんに対しても、次からは別なアプローチ方法を考えられるのですから、これまた効率的であるといえます。
デメリットを説明する良さ・まとめ
片面提示と両面提示は、相手によって使い分けることが必要です。
すでに買う(賛同する)ことが決まっている、もしくは深く考えたくないと思っている人には片面提示を、複数の商品で迷っているか、あるいは時間をかけてでも吟味したい人の場合は両面提示が有効です。
深く考えない人に有効な片面提示
深く考えない人の反応
- 買いたい意欲が増す
- とにかくお得なのだとすぐに信じてしまう
- 今すぐにいいものが欲しい
吟味したい人の反応
- デメリットもあるんじゃないの?
- 情報をすべて出さないことに不信感を抱く
- 相手に操られている感じがして嫌だ
吟味したい人には両面提示
深く考えない人の反応
- 買おうと思っていたのに意欲が台無しになる
- 本当に買ってもいいものなのか迷ってしまう
- 色々と比較しなければいけないのでめんどう
吟味したい人の反応
- デメリットを前向きに受け入れられるか考える
- デメリットを伝えてくれた、と信頼する
- 検討しきったという満足感が得られる