「忙しい」が口癖の人の心理
あなたの周りに「あー忙しい」が口癖の人はいませんか?
いつも終電まで働いて疲労困憊、休みの日は寝て終わる。仕事の電話が鳴り止まず、対応に終われなかなか作業に集中できない。締め切り間際に急いで仕上げるのでミスも多い。
これらの言葉を読んでいるだけで、憂鬱な気分になってきます。
「忙しい」が口癖の、仕事ができない人は、ある思い込みに支配されています。
それは、「準備に時間を割くなんてもったいない」という思い込みです。これがすべての元凶、諸悪の根源といっていいでしょう。
「まさか、自分は違う」と思っている人も、実は同じような罠にはまってる可能性があります。
なぜ時間に追われてしまうのか
段取り8割という言葉があります。仕事の出来はいかにきちんと段取りをするかにかかっているという意味です。実際の作業が影響するのは2割ほどしかないのです。
「忙しい」が口癖の人は、この言葉の意味を正確に理解していません。
2割の影響しかない作業をどれだけ頑張ったところで、効率はよくなりませんし仕事の質も上がりません。2割の部分を改善しても効果は最大で2割、焼け石に水です。改善するなら8割の影響力を持つ段取りの部分に手をつけるべきでしょう。
このことを理解していない、あるいは信じていないため、彼らはどツボにハマってどんどん時間がなくなり「忙しく」なっているのです。
準備に時間をかける勇気がない
「優秀な木こりは、6時間で木を切れと言われたら、5時間かけてノコギリの刃を砥ぐ」という言葉もあります。
「忙しい」といつも口にする仕事ができない人は、5時間もかけて刃を砥いでいたら間に合わないと思っています。多少切れ味が悪くても、さっさと切り始めたほうがいいに決まっていると考えているのです。
木を切る話だと、砥ぐことに時間を割く大切さを理解しやすいかもしれませんが、いざ自分の仕事となると、すっかりこの教訓を忘れてしまい、何も考えずに仕事に手をつけはじめてしまいます。
本当に大切なのは準備であり実際の作業が占める割合はほんのわずか2割にも満たないという事実を見逃しています。
準備を疎かにして見切り発車をし、後から修正に次ぐ修正を繰り返しているとなかなか前に進みません。計画を立てる段階でこれでもかと頭を使い、あとは何も考えずにスケジュール通りに仕事を進めるほうがよほど楽で効率的です。
よほど難しい仕事でなければ、計画を立てる段階で修正が必要になってくる箇所は事前にわかるでしょうし、どれくらい完成度で一旦区切りをつければ良いのかもわかります。
計画を立てるのは完璧にこなすためではなく、後々やってくるであろうトラブルにも柔軟に対応できる余白を作っておくためです。
「忙しい」という言葉は、言い訳
「忙しい」という言葉の意味は、「時間がない」とイコールです。
「時間がない」というのは、「自分は時間を作る能力がありません」と言っているようなものです。
タイムイズマネー、時は金なり。つまり、「時間がない」は「お金がない」であり、「忙しい」は「時間に追われている」、「お金に踊らされている」ということなのです。
「忙しい人」と「仕事ができる人」の違い
「忙しい人」とは、「忙しい、忙しい。あー忙しい。時間がない…」が口癖の人。
「仕事がデキる人」は、「忙しい」とは口にせず、仕事の成果を上げる人です。
では、具体的な違いはどこにあるのでしょうか。
忙しい人
- 「忙しい」と言うことで、「頑張っているな」と評価されたい
- 締め切り直前になって仕事に取りかかる
- 段取りのための時間は取らない、少ない。
- スケジュールを作っても、その通りに実行できない
- 締め切り直前に徹夜で仕事をするので余計なミスが多い
- 仕事の目的と最終完成物がどんなものかを、納期間際になって初めて理解する
- やり直しが多く二度手間。そのためにやる気も低下していく悪循環
- 断ることが苦手なイエスマン。余計な仕事を抱えてしまう
- 集中できる環境づくりが下手。意識が仕事に集中できない
- 他人に頼むことや打ち合わせの進行が下手。自分がやったほうが早いと考えがち。
- プライベートの時間がとれないと信じている
仕事ができる人
- 「忙しい」と言うことは、無能を証明することだと考えている
- 締め切りよりかなり前から作業に取りかかる
- まず段取りに十分時間をかけてから、作業に取りかかる
- スケジュール通りに仕事をする
- 時間管理ができているので、睡眠時間も十分にとれる。
- まずは仕事の目的と最終完成物を頭に入れてから仕事に取りかかる
- ほめられることが多いので、やる気もさらにアップする好循環
- 自分しかできない仕事を責任をもってやる。逆に自分の能力を超えた仕事は引き受けない
- 自分が集中できる環境づくりをきちんとやる
- 他人への依頼のしかたや打ち合わせの進行が上手
- プライベートの時間をたっぷり取り、充実している