トラブルが起きても冷静に対処できる人の心理と特徴

朝起きたら出社時刻を過ぎていた…

発注ミスで大量の商品が届いた、あるいは発注を忘れていた…

社用車で事故を起こした…。道に迷って訪問先へたどり着けない…

仕事をしていれば誰でもミスはするものですが、緊急事態でも冷静に判断し対処できる人とできない人がいます。違いは何なのでしょうか?

落ち着いて対処できる人はフラストレーション耐性が高いと言われていますが、これはストレスや不満に耐える能力が高いということです。このような人は何か嫌なことがあっても平気でいられる強いメンタルの持ち主だと思われている節があります。

しかし、実際は少し違います。彼らはストレスをはっきりと感じています。鈍いわけではなく、きちんとストレスを解消する術を持っているのです。

フラストレーション耐性が強い人は、我慢強い?

トラブルやミスが起きても動揺せず、冷静に対処できる能力をフラストレーション耐性といいます。この能力を持っている人の特徴は「我慢強いこと」です。

我慢強いとはどういうことでしょうか?

何か困難なことに直面すると、普通の人はフラストレーション(欲求不満)を感じます。そして、緊張感を解消するために、攻撃的になったり逃げ出したりするなど、何らかの行動をとるものです。

しかし、フラストレーション耐性能力の高い人は、緊張感に耐えるだけの強さを持っているので、ジタバタせず状況が好転するのを待つことができます。これが「我慢強い」ということです。

冷静に対処するとはどういうこと?

ただ単に我慢強いだけではトラブルを解決できません。解決策を考え、実行しなければいけません。

何か問題が起きたら、代替案を考えなければいけないし、現状に合わない選択肢は切り捨てる必要もあります。そして最終的に決断して行動に移すことで、問題は解決します。

  • トラブル発生(問題を認識)
  • フラストレーション、ストレスに耐える(我慢する)
  • 代替案を考える・不要なものは捨てる(冷静に考える)
  • 決断・実行

こうした一連の流れをスムーズに行える人が、フラストレーション耐性があり、困難な状況でも冷静に対処できる人といえます。耐える能力があり、冷静に考える余裕も持ち合わせているのです。

自分はメンタルが弱いし、プレッシャーにも弱いからそんな能力を身につけるのは難しいと思うかもしれません。しかし、フラストレーション耐性が高い人は、ただ単に「強い」のではなく、ストレスと上手に付き合っているからこそトラブル発生時に耐えられるのです。

上手に気分転換することがストレスに強くなるコツ

どんなに強い人でも、一定以上のストレスがかかると誰でもうつ病になってしまいます。

フラストレーション耐性が高い人は、いくら我慢強いとはいっても彼らはフラストレーションを感じていないわけではありません。むしろ、はっきりとフラストレーションやストレスを感じており、それを解消しようと努めます。

たとえば、休日には映画を観たりコンサートに行く、釣りやキャンプなど趣味の時間を持つ。家族との時間を大切にしたり、好きなものを食べたり。平日でも1日の中で気持ちを落ち着ける時間を作ったりと、様々な工夫をしています。

こうした気分転換が苦手な人も多いと思いますが、こればっかりは自分で無理矢理にでも時間を作ってやっていくしかありません。

ポイントとしては、なるべく肉体を使うことに取り組んだほうが良いということ。家の中で完結し、手足をあまり動かないで済む趣味はリフレッシュしずらいものです。

仕事とはまるで違う状況に身を置くものほど高い効果が期待できるでしょう。

フラストレーションを感じたときの反応の種類

人はフラストレーション状態に置かれたとき、緊張を解消するためにさまざまな反応行動をします。その行動は、大きく5つのタイプに分けられます。

1.攻撃的反応

トラブルの原因を「会社の体制が悪い」などと他者に対して悪口を言ったり、避難したりするなどの攻撃的な衝動を示して折り合いをつけようとする。

2.退行反応

自分の意見が通らないと、駄々をこねたり、すねたりする。いわゆる「幼児退行」をし、甘えたりするなど、幼児的な行動をして気持ちを落ち着かせている。

3.逃避反応

フラストレーションを感じる場面を避ける。緊張状態から逃れるために、空想・妄想の世界に逃げ込み、現実逃避しようとする。ゲームに夢中になるのも。

4.抑圧反応

フラストレーションを抑え込むことに過剰に取り組む。ストレスの原因そのものを意識へ上がらせないようにしている。

5.固着反応

爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり、頭をかきむしるなど、問題解決のためには直接役に立たない行動をして平静を保つ。

自分はどのタイプでしょうか?

無意識に出てしまうこれらの反応を抑えるのは難しいでしょう。無理やり抑えても、ストレスが増えてしまいます。大切なのは普段から気分転換を意識的に取り入れて、心に余裕を持たせておくことが大切です。

3の逃避行動ようなものはある種気分転換の効果が期待できますが、問題が起きた直後に取る行動としては好ましくありません。普段からリラックスして気分転換できる時間を用意しておく工夫が必要になります。