お世辞やゴマすりの心理的効果

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「お世辞」「ゴマすり」「相手に取り入る」などというとイメージが悪いかもしれません。

しかし、心理学的な言葉で言えばこれらはまとめて迎合行動といい、立派な社会的コミュニケーション方法の1つです。

迎合行動とは、特定の他者の好意を得るための言動、行動のこと。良好な人間関係を築くためのテクニックとして、時と場合によって使い分けるべきものだといえます。

迎合行動には、賛辞(お世辞、よいしょ)、卑下(自分を落とす)、同調、親切といったものがあり、適した場面で使うことでより高い効果が期待できます。

実は侮れない。お世辞やゴマすりを使いこなす

人間は誰しも褒められれば悪い気はしません。褒められて気分が良くなった相手は、こちらの要求に応えやすくなるという心理的効果も期待できます。

見え透いたウソを言ったり、相手が引くほど大袈裟におだてたりするからいけないのであって、適度な熱量で相手を尊重することはむしろ積極的にやっていくべきコミュニケーションのひとつです。

ゴマすりは、大人として身につけるべき嗜みといっても過言ではありません。意地を張り、格好をつけてゴマすりができないばっかりに大事なチャンスを逃すとしたら、そのほうが馬鹿らしいでしょう。

的確に賛辞(お世辞、ヨイショ)タイミングが大事

お世辞を言って相手をヨイショするのが最もポピュラーなゴマすりです。ただし、的外れなお世辞は逆効果になります。

適切なお世辞をするには相手を良く観察することです。

服装はどうでしょうか。スーツやシャツの色、ネクタイの柄、靴の材質…「今日のネクタイ素敵ですね。似合っていますよ」と言うことができます。こうした賛辞の言葉をかけ「あなたのことを尊重しています」という意識が伝わるだけでも、相手は気分が良くなるものです。

職場の人たちが活気があっていい、家族の仲が良さそう、髪型が似合う、持ち物のセンスが良い…などなど、あまりにも唐突で場違いでなければ、だいたいの人は褒められれば喜びます。周囲をよく観察して普段から「褒めネタ」を集めておきましょう。

卑下(自分を落とす)さじ加減が重要

自分を卑下することで相手を持ち上げます。あまりにも下げるとわざとらしいので、相手よりも少し下に狙いを定めるのがコツです。

問:「これ定価8万円だったんだけど割引で買えたんだよ。いくらだったと思う?」

この場合、相手は自分の交渉力や商品選定眼を自慢したいと思っています。あなたはせいぜい5,000円引きくらいの75,000円と答えておくぐらいがちょうど良いでしょう。

「そう思うでしょ?実は65,000円で買えたんだよ」となり、相手は喜んでくれます。本気で考えて正解を言ってしまったり、本来の値引きを上回る値段を答えるのはご法度です。

ゴルフや学生時代のスポーツの成績、車や家の規模などの話題になったとき、実際には自分のほうが上だとしても理由をつけてちょっと失敗した部分的なエピソードを話せば、自然と相手は親しみを持ってくれるでしょう。

同調。私はあなたの味方です、と示す。

相手の意見に「その通りですよね」と同調することで「私はあなたの味方ですよ」と好印象を与えることができます。

全てにおいて同意していなければ同調してはいけないわけではありません。ほんの一部分でも賛同できる面があれば、そこを強調して「おっしゃる通りです」と言えばいいのです。

「販路拡大のために◯◯町へ営業の範囲を広げようと思う」

×「そもそも販路拡大よりも今大事なのは…」

◯「そうですね。現状のままではまずい。販路拡大の他にも良い案がないか考えてみます」

まずは同調して相手の気分を損なわずに話が進めば、意見が食い違っていても冷静に話し合いを進められます。

いつでもどこでも、何でもかんでも正直に自分の意見を言う人がいますが、それは間違いです。行き過ぎた正義感やまっとうな正論を述べることは自分本位なやつだと受け取られる危険性があります。時と場合、相手によって使い分けるべきです。

親切。「あなたは特別な存在です」という態度と行動

相手を特別な存在として扱うこと、おもてなしです。

相手の行動に注意して、お節介にならない程度に親切にすることで「自分だけが特別」と思わせることができます。

先に行ってドアを開ける、エレベーターのボタンを押す、食事に行ったら自分が注文をとる…些細なことですが、される嬉しいことは多いです。

もし、相手が尊敬してやまない人だったら、付き合いたいと思っている異性だったら、と考えたときに自分がしてあげるであろう行為であればやる価値があるといえます。

親切で得をするのはされたほうではなく、したほうです。

些細なことだけど相手が喜ぶ行為を

おおげさなことをやる必要はありません(今のあなたにとってはおおげさと感じるかもしれませんが)。

軽いお世辞、自分を下げて相手を上げる、まず同意する、些細な親切。ちょっとしたことで、相手の気分は良くなるものです。

相手の気分が良くなれば、自分の気分も良くなります。相手のためではなく、自分のためだと思って少しずつ取り入れてみてください。