秘密を打ち明けると仲良くなる理由
自分の内面に関することや身辺の情報を、相手にありのまま打ち明けることを自己開示といいます。人と人とが信頼関係を築いて仲良くなるときは、この自己開示による影響が大きいことがわかっています。
人は自己開示をしてくれた相手に対しては自然と親近感を抱きやすくなり、「相手はこれだけ打ち明けてくれたのだから、自分もある程度打ち明けなければ…」という気持ちになります。そして、こちらが開示したのと同程度の情報を開示することも少なくありません。
人は誰でも、相手から特別扱いされたり、誰かに頼られると期待に応えようとしてしまうものです。「あなたにだけ打ち明けるんだけど…」などときたら、よほど嫌いな相手でない限りは親身になってあげたいという気持ちを持ってしまいます。
自分が心を開けば、相手も心を開きやすい
相手に対して自分を開示する。相手も自分に対して開示してくれる。これもコミュニケーションのひとつの形です。それほど不自然なことではありません。
会社など組織の中で人間関係を円滑にする上でも、自分開示は有効であると言われています。
なぜなら、開示される側だけでなく、開示する側も相手に信頼感を持つようになるからです。
開示する側は色々と話をしているうちに「自分はこれだけこの人たちに内面を打ち明けているということは、自分はこの人たちのことを信頼しているに違いない」と感じるようになっていきます。
自分から散々打ち明け話をしたのにも関わらず自分は相手を信頼していないというのは矛盾しますから、心の中で折り合いをつけるのです。
もちろん、打ち明けられた側は相手に対して親近感を抱きますから、どんどん互いが信頼するようになる好循環が生まれます。
自己開示を使って信頼を得るまでの道のり
自己開示をテクニックとして活用ができれば、相手から信頼を得ることができ、自分が聞きたい情報を相手から引き出していくことができます。逆に、自己開示がうまくできなければ相手から信用を得ることはその分だけ難しくなると言えるでしょう。
では会話の上手な人はどうやっているのでしょうか?
彼らは、ただ自分のことをひけらかすのではなく、会話の中に適度に自分の情報を織り込みながら話を進めています。
自己開示的な話題を小出しにすることで、相手が返すタイミングを増やして情報をうまく引き出すことができ、話を弾ませることができるのです。
「この人はどんな人なのだろう?」「いったい何を考え、企んでいるんだろう?」と相手が疑問を持ち続けて警戒している状況では、とてもじゃありませんが情報を引き出すのは無理です。
適度にこちらから開示して、いかにして早くキャッチボールを始めるかが勝負になってきます。お互いの自己開示がうまい具合に進んでいけば、小さな信頼のループが始まって「この人は大丈夫だな」ということになるわけです。