好きだから助けるのではなく、助けたから相手を好きになる理由
- 暴漢に襲われたところを助けられた女性が危機を救ってくれた男性に恋をする…
- 逆に、助けた男性が助けてあげた女性に恋をしてしまう…
映画やドラマではよくあるシーンですが、なぜこのような状況恋に発展するのでしょうか。
助けたから好きになるって順番が逆じゃない?好きだから助けるんじゃないの?
矛盾しているように思えますが、この矛盾に心理の秘密が隠れています。
助けた相手を好きになるのはなぜ?
人間は普通、相手のことを好きだからこそ助けるはずです。好きな人が困っていたら手を差し伸べようとするのが人情というもの。嫌いな相手に対してはそんなことは思いませんよね?
相手のことを嫌いなのにも関わらず助けたとなれば、自分の気持ちと行動に矛盾が生じていることになります。
気持ちと行動に矛盾があると、人は違和感や不快感を覚えます。そこで、違和感の原因となる矛盾を解消するために、「自分は相手を好きだから助けたのだ。うん、そうに違いない」と自分で自分を納得させるのです。
このように、心の中にある矛盾を解消しようとする心理的な作用を、認知的不協和理論といいます。
心の矛盾を解消する行動の流れ
海山商事の福田さんは、仕事を締め切りまでに終わらせられそうにない女性社員から手伝ってほしいと頼まれました。
福田さんは、「なぜ、僕は彼女の頼みのを引き受けたのだろう。」と思います。「自分はもともとお人好しだけど、ちょっとやり過ぎかな…」「自分はノーと言えない日本人の典型だ…だから嫁の尻に敷かれてるんだ…」などと色々な想いが頭を駆け巡ります。
なんだかモヤモヤしますね。このままでは気持ちよく手伝うことができません。
そして、
「普通は嫌いな人の手伝いをする気になれないよな…」
↓
「断るのがおっくうで手伝うなんて、気持ちが弱いかな…」
↓
「いや、僕はこの人が好きなのだから手伝うだ」
↓
「そうでなければ、自分の行動は矛盾する」
↓
「好きだから手伝う。そう何も矛盾してない!」
と自分の行動に説明をつけ、納得させるというわけです。
愚痴を言いつつ別れない人の気持ち
いい年こいていつも草野球に夢中なダメ男と付き合っている花子さん。
友だちと会うと、「別れたいけど、別れられないんだよね…」と愚痴をこぼしてばかり。
周囲の人間は、「別れたいの?別れたくないの?どっち?どうして別れないのだろう?」と思います。
しかし本人は「別れたいけど別れられないのは、彼を愛しているからなのだ」と自分で自分を納得して矛盾を解消しようとしているのです。
もしこれであっさり別れてしまったら、自分はどうしてこんな男と付き合ってしまったのだろう?と自分を責める羽目になります。
恋愛に認知的不協和理論を利用する
自分自信の矛盾を解消しようとする心理を、意中の相手が自分に振り向くように使うことができます。
あなたが女性の場合、好意を持つ男性に、あなたから救いの手を差し伸べるのではなく、相手に助けてもらうように仕向けるのです。
古臭い手ですが、「テレビの配線がわからなくて」というのもあながち間違っていないといえます。最近だとパソコンの設定やら何やら、男性が得意そうなことであれば何でも使えるでしょう。
はじめはそこまで大変なことではなく、ちょっとしたことでも効果は期待できます。そうすれば、彼は「自分が彼女を助けてあげたということは、もしかしたら彼女のことを好きなのかも…」と、自分の行為を勝手に正当化してくれます。
男性の場合も同じようなもの。母性本能をくすぐる行動が恋愛テクニックとしてよく使われるのも納得です。
ただし、男性に対して「頼もしさ」を求めている女性に対しては逆効果になるので相手の傾向を良く見極めましょう。
助けることから恋が生まれる
自分の行動に矛盾がないように自分を納得させる。この心理を使って恋を成就させましょう。
- 仕事が終わらなくて困っている同僚がいる
- そこへ、援助の手を差し伸べる
×嫌いなのに助けた→不協和状態→矛盾があるので不快になる
◯好きだから助けた→協和状態→一般的な考えに矛盾しない
↓↓そうか、僕は彼女が好きに違いない!
気になる相手が、ちょっと頼めば何かを手伝ってくれそうな環境にいる場合、チャンスは大きいでしょう。積極的に狙ってみてください。