占いや心理テストを信じてしまう理由

占いにハマる人の心理

「自分では気がついていないかもしれませんが、あなたは頑固な一面があります。」

「周囲に気をつかいながらも、あなたはずっと自分の居場所を探してきた。」

「今は順調な人生を歩んでいますが、実は人間関係に悩みがあるのではないですか?」

このような言葉を聞いて、「私のことだ!」と思ってしまう人は要注意です。

雑誌やテレビの情報番組には、必ずと言っていいほど占いや心理テストのコーナーがありますよね。遊び半分、話のネタに見る程度ならとくに問題になったりはしませんが、度を越えてのめり込んでしまうと危険です。

占いの結果で一喜一憂するのは危険?

占い師の言葉や心理テストの結果を信じて一喜一憂する人は、ちょっと危険です。

素直な性格だとも言えるかもしれませんが、そういった人は他者の言葉に無防備である場合が多く、悪意を持った誰かに簡単にコントロールされてしまう可能性が高いのです。

占い師やスピリチュアル関係の先生たちは「あなたは優しいけれど実は頑固な面があり…」のような言い回しを多用します。

しかしよく考えてもみてください。頑固な面がまったくない人なんて超がつくほどの少数派であり、実質世の中に存在しないに等しいのです。

この手の言葉は、あなたを誘導するために使われています。「自分では気づいていないかもしれませんが」という前置きがあれば、「そうか、自分は頑固ではないつもりだったけど…」と思い返すのが普通ですよね。

人間関係に悩みのない人なんていませんし、周囲に全く気を使わない人もいません。細かいところがあれば大雑把なところもある。小さい頃にあったことなんて、みんな記憶が曖昧ですから、いかようにもこじつけられる。

誰にでも当てはまりそうな、しかも曖昧で一般的なことを「占いの結果」としてさもありがたい言葉であるかのように述べているだけです。さらに、「自分では気づいていないかもしれないが◯◯の素質が高い…」と言われれば、たとえその素質が0だとしてもかんたんに1であると感じてしまいます。

今現在結果が出ていなくても関係ありません。素質はあるけどやってないだけなんですから。

このあいまいで一般的な事柄を、自分だけに当てはまる正確なものだと捉えてしまう現象を、心理学ではバーナム効果と呼んでいます。肯定的な情報は信じやすいけれど、否定的な情報は好まれないというのもバーナム効果のひとつです。

適当な心理テストでも当たっているように感じる

友だちや家族に適当な心理テストを作って答えてみてもらってください。そして、以下の文章を「あなたの心理分析結果」として渡します。

おそらく、多くの人はよく当てはまっていると答えるでしょう。

  • あなたは、他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それに関わらず自己を批判する傾向にあります。
  • あなたは、弱みを持っているときでも、それは普段は克服することができます。
  • あなたは、使われず、生かしきれていない才能をかなり持っています。
  • 外見的には規律正しく自生的ですが、内心ではクヨクヨしたり、不安になる傾向があります。
  • 正しい判断や、正しい行動をしたのかどうか、真剣に疑問を持つことがあります。
  • あなたは、ある程度の変化や多様性を好み、成約や限界に直面したときには不満を抱きます。
  • あなたは、独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を受け入れることはありません。
  • あなたは、他人に自分のことをさらけ出しすぎるのは賢明でないことに気づいています。
  • あなたは、外交的・社交的で、愛想が良いときもありますが、その一方で内向的で用心深く、遠慮がちなときもあります。
  • あなたが今強く抱いている願望には、やや非現実的な傾向もあります。