不安を隠したり、落ち着けようとするしぐさ
人は緊張や不安を感じて動揺したとき、無意識のうちにからだを触って心を落ち着けようとする習性があります。
その頻度や程度は個人差がありますが、どんなに普段から冷静で落ち着いている人でも、些細な心の動きに応じてやってしまうのが面白いところです。
不安を感じて自分の身体を触る行動を自己親密行動といい、髪の毛、頬やあご、手足や胴体など、触る身体の部位によってその人がどう感じているかを知ることができます。
それぞれの動作が示す心理状態を知っておけば、相手の心理を読み解くときのヒントになるでしょう。
不安・緊張・動揺したときに無意識に出るしぐさ
- 髪に触る、頭をかく、鼻をつまむ
- 手をこする、組んだり離したりを繰り返す
- 机の上にあるものを触る、紙を丸める
- 服の刺繍やボタンなどを触る
これらのとりとめのない動作はすべて動揺していることの現れです。
この状態では、相手は落ち着いて話を聞くことが出来ません。本題からそれた世間話をするなどして緊張をほぐしてあげる必要があります。
あるいは、何か隠している、まずいことがある場合も考えられます。注意して対応しましょう。
腕を組んでいる人は、警戒心を抱いている
腕組みの姿勢は「防御」を表しています。相手と自分の間に腕を置くことによって相手を拒否する警戒心を表現しているのです。
腕組みをすると本人は安心感を得ることができますが、周囲の人は腕組みをしている人間には近寄り難い印象を受けます。結果、「この人には話しかけないでおこう」となるのです。
鼻をこする、目をこするのは顔を隠して本心を知られないようにするため
鼻をこする、目をこするなどは、心にやましいことがあるときに、心の不安を相手に読まれないようにする動作です。
笑ってはいけない場面で笑ってしまいそうなとき、口に手をやることで誤魔化そうとしますよね?
無意識のうちに顔を隠すことは、表情を読まれてはまずいと感じたときのとっさの反応といえます。
ウソをついたり言い訳をするときに本心を知られてはまずいので、せめて顔の一部でも隠そうとしているのです。
また、内向的で、本心を上手に伝えられない人も、こうしたしぐさをすることが多いです。本心を上手に伝えられない人は、「普段から本心が伝わらないような行動を自分から取ってしまっている」、ということになります。
ほおづえは誰かに慰めて もらいたい
頬づえをつくしぐさは、話が面白くない、退屈しているといった意思表示です。このとき、目がぼんやりしていることが多くなります。
頬づえに使う腕は、「自分を慰めてくれる人の腕の代償」と考えられています。
1人で頬づえをついている場合は、自分の頬を両手、あるいは片手で包んで、自分自身を慰めているのです。これも自分を安心させるための自己親密行動です。
不安を鎮めるしぐさをしているということは、「誰かに支えてほしい」というサインであるとも言えます。癒やしを求めているのです。
女性に声をかけるとき、誘いに乗ってくれる確率が高いのはこうした自己親密行動をとっている人です。学校で何か不安を抱えている生徒、職場で最近成績が悪い部下など、頬づえをついている人は注意して経過を見守る必要があります。
不安を鎮めるしぐさのまとめ
とりとめのない動作をしている人は、動揺している可能性が高い。
- 髪に触る、頭をかく、鼻をつまむ
- 手をこする、組む
- 目の前にあるものを触る、紙を丸める、服のボタンなどを触る
腕組みは警戒心の現れ。そっとしておくか、できるなら緊張をほぐしてあげる。
顔を隠す動作は、本心を隠したい心理。鼻や目をこする、口を隠すのは表情を読まれないようにするとっさの反応。
頬づえは、不安を鎮める自己親密行動。話を聞いてあげると喜ばれるかも…