タバコをやめられない人の心理と禁煙のコツ
タバコをやめられない人には2種類います。
ひとつはニコチン依存症によるもの。もうひとつは心理的な依存です。
明確にどちらかだけの依存であるというのはめったにありませんが、わかりやすい判断材料として起床直後にその日最初の1本目のタバコを吸うかどうか、というのがあります。
起きてすぐ(30分以内)に吸う人はニコチン依存、そうではない人(その日の1本目が朝食後、職場についてからなど)は心理的依存である可能性が高いです。
禁煙したい場合、ニコチン依存の人は病院へ行って診察してもらったほうが早いでしょう。心理的依存の人は自分の行動、習慣をよく見直す必要があります。
心理的要因でタバコが辞められない理由
タバコをやめられない原因が、心理的なものである人の場合は自分の考え方次第でうまく禁煙することができる可能性があります。
- 会話中、タバコがないと間が持たない
- ふとしたときタバコがないと口さみしい
- 食事の後はタバコを吸わないと落ち着かない
- 仕事の休憩はタバコとコーヒーがセットじゃないとイヤだ
タバコを吸うことがある種の儀式のようなものになっており、なくてはならないと思い込んでしまっています。
この思い込みは厄介です。なぜなら、タバコがあるとリラックスできる、会話が弾む、メリハリがつくといったことが、はっきりと成功体験として自分の記憶に強烈に刷り込まれているからです。
この行動と記憶のセットを少しずつ上書きすることが、心理的喫煙習慣を改善するコツになります。
タバコとセットになっている行動を見直してみる
ニコチン依存であればニコチン製剤を使うことで乗り切れますが、心理的な依存を断ち切るには、タバコと結びついている行動とのセットを見直す必要があります。
喫煙を結びついている行動とは、「食事をする→タバコを吸う」「コーヒーを飲む→タバコを吸う」といったものがあります。これらを少しずつ潰していくことが第一歩。
セットを断ち切ることで依存度を下げていくのです。
セットを断ち切るというのは、コーヒーを飲まない、のではありません。
「コーヒーは飲むのだけれど、タバコを吸わない。」までをセットで行うということです。
慣れてくれば、コーヒーにはタバコが欠かせないと思っていたものが、だんだんそう思わなくなっていくはずです。実は単なる思い込みであったということは少なくありません。
タバコを吸っているタイミングを書き出してリストにする
1日のうち、自分がどのようなタイミングでタバコを吸っているのかを書き出してみましょう。
一度にすべてのセットを断ち切るにはかなり大変で普通は挫折します。まずは最も強い喫煙衝動を感じるセットだけに注目し、喫煙をほかの行動に置き換えます。
たとえば、食後のタバコが一番吸いたくなるのであれば、そこをやめる。代わりにガムを食べたり、お茶を飲む時間に変えます。
それ以外のセットはそのまま喫煙を続けても大丈夫。だってもともと心理的依存であってニコチン依存ではない(程度として弱い)のだから、多少吸ったっていいのです。大切なのは最終的にやめること。
全ての欲求を抑え込んで我慢するのではなく、逃げ場を用意しておくこと。そうすることで、追い詰められて過剰なストレスを感じることなく、少しずつ習慣を変えていくことができるので、禁煙の成功率が高くなります。
タバコの代わりに使えるものは?
タバコを吸いたくなったら、その代わりになるような行動を取って気を紛らわせます。「そんなものはタバコの代わりにはならない!」と思うかもしれませんが、これも勝手な思い込みです。やり始めると、少しずつ慣れて変わっていきます。
イライラしたら気持ちを外に向ける……
- 熱いお茶を飲む
- 音楽を聴く
- ストレッチをする
- 人と話をする
ストレスをタバコにぶつけるよりも、人と話したりストレッチをすることで解消するほうが、精神衛生にも良いです。
口寂しいときは口内環境を改善……
- 歯磨きをする
- ガムやスルメを噛む
ガムは唾液が分泌されて歯にも良いので、タバコを吸っているときよりも口内環境は良くなるでしょう。
手持ち無沙汰のときは手を動かす……
- 掃除をする
- 手芸、知恵の輪、ペン回し、プラモデルなどの手仕事をする
部屋は綺麗になるし、新しい趣味もできます。なんとなく手を使って時間を潰すものを持っていると便利です。子どもだましだと思うかもしれませんが、喫煙だってその程度のことなのです。