メールの返信が遅い人の心理
メールやSNSは、電話に並ぶ重要な連絡手段になりました。IT系、金融系のような技術的に進んでいる業界では「互いの時間を奪う」として、むしろ電話は嫌われているくらいです。
日常生活に欠かせないものとなっているメールやSNSですがトラブルもあります。インターネット協会が過去に実施した調査では、「メールの遅延、届かない」ということに困っている人の割合がかなり多い事がわかっています。
メールの返事がなかなか来なくてイライラした経験のある人は多いでしょう。仕事のメールならば催促することもできますが、プライベートの場合は返事を急かすのはためらってしまいますよね。
そうこうしているうちに、「どうして返事をしてくれないのだろう?」「もしかして、何か気分を害する内容を書いてしまったかな?」などと不安になってきてしまいます。
基本的には、「忘れてた」「忙しかった」という理由が最も多いのですが、それは仕事の場合。恋愛においては心理的な要素が絡む場合もあります。
返信を意図的に遅らせる効果
恋愛関係になる前のメールのやり取りは神経を使うものですが、自分が主導権を握っていたい場合、人はメールの返信を遅らせる傾向があります。
例えば、「一緒に食事でもしませんか?」というデートの誘いが来たとします。
誘った相手がやきもきしながら返事を待っていることを承知で、しばらく無視。相手は返事がなかなか来ないので、不安を募らせていきます。
そこにやってきたOKのメールは、すぐにOKをもらうより遥かに嬉しいはずです。メールの返信が来たこととOKの返事がもらえたことによる二重の喜び、そして待たされたことも加わってさらに嬉しい気持ちは膨らみます。
喜びの気持ちが大きくなった原因が待たされたことにあったとしても、詳細は無視され、「これだけ嬉しいということは自分はこの人のことが本当にすごく好きなのだ」と錯覚するようになります。
メールを返すタイミングによって、相手の気持ちをコントロールすることも可能なのです。その効力を大きさを考えると、むしろ内容よりも重要であるといえます。
メールの返信が遅いパターンは、ほとんどが軽い気持ち
メールの返信が遅れると、待っている側は「自分はないがしろにされている」と感じますが、ほとんどの場合、待たせている側に悪気はありません。
以下のような理由が考えられます。ムダに腹を立てたり不安を感じたりする必要はありません。
- 「忙しくてなかなか時間が取れない」
- 「メールのやり取り自体が嫌いである」
- 「メールの操作に慣れていない」
- 「メールの優先度が低く、返信することを重要だと思っていない」
- 「2人の関係性において、主導権を握りたい」
まず、基本的にはメールの返信が遅いのは、「相手が忘れていた」が一番多いということを覚えておきましょう。自分が待つ側であれば、そんなにやきもきする必要はないということです。
仕事であれば、催促はできますが、催促しないとメールが来ないような人は仕事ができない人である可能性が高いので注意が必要です。メールの返信が遅い人はいずれ仕事がなくなっていくはずですが、今現在どうしても付き合わなければならない場合、電話を使って催促したり、最初のメールに返信期限を記載しておくなどして対処するしかありません。
プライベートの場合は、あまり神経質にならず、気長に待つことが心を平穏に保つコツ。相手は、自分が思っているほどそのメールを大切には思っていないのだと割り切ることも、ときには必要です。
自分が遅れてしまったら?
もし、うっかり返信するのを忘れてしまい何日も経ってしまったらどうすればいいのでしょうか?
とても重要なのが、「メールが遅れるのは悪いことではない」と認識することです。
ですから「返信が遅くなり申し訳ございません」などと、謝る必要はないのです。
しかし、返信するときに、「時間が空いてしまっている」ことをこちらもわかっているとアピールする必要があります。そうしないと、相手はないがしろにされていると感じて機嫌を損ねるでしょう。
そこで、「前回ご連絡頂いてから、時間が空いてしまいました」とだけ添える。これで十分です。
メールは、相手と時間を共にしない非同期のコミュニケーションですから、多少時間が空くのは互い了承済みという大前提があります。むやみに急かすものではありません。しかし、あまりにも間が空いた場合は「わかっています。ほんの少しだけ申し訳ないと思っています」とアピールしておけば、相手もわかってくれるはずです。
メールは、即返信が絶対正義のように語られていますが、そんなことはありません。遅れたってかまいません。本当に緊急な要件であれば電話がきたり直接話すでしょう。
メールは便利ですが、現代人にとって悩みの種の1つでもあります。上手に付き合ってストレスなく使いこなしたいものです。