ギャンブル依存症になる人の心理

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ギャンブル依存症

パチンコ・スロットに競馬、競輪、競艇…。

趣味で楽しむ程度ならば良いのですが、節度を越えてハマりやすいのがギャンブルの怖いところです。

例えば、パチンコ依存症の人は、全国で100~200万人いると言われています。財産を失い、家族や友人からも見放されてしまうケースは数多くありますし、中には借金が膨らんでしまい、抜け出せずに自殺に追い込まれる人もいます。

また、親がパチンコに熱中している間に車内に置き去りにされた子どもが熱中症で死亡したという事件もなくなりません。

ギャンブルに依存してしまう人の心理はどのような傾向があるのでしょうか??

子どもの頃から依存症の人はいない

当然のことですが、子どもの頃からギャンブル依存症の人はいません。特定の人に依存症になる素質のようなものがあるわけではないのです。

依存症になっていく過程も人それぞれであり、始めはストレス解消やヒマつぶしなどの軽い気持ちで始めることが多く、ギャンブルで大金持ちになろうとか、借金を返そうと思って始めている人なんて皆無です。

それなのになぜ、こんなにも悲惨な結末に至ってしまうのでしょう??

たまに当たるからこそやる気が出る怖さ

ギャンブルは、お金をつぎ込んだ分、当たりが増えるわけではありません。「部分強化」という心理効果が働いています。これは、何かの行為をしたときに報酬(見返り)が時折あることを指します。

その反対に、必ず報酬があることを「全強化」といいます。

必ず貰えるのだから「全強化」のほうがいいように思えますが、人の心とは不思議なもので、全強化に対しては、興味が薄れやすいという傾向があります。

競馬でもパチンコでも、毎回必ず当たる、勝つとわかっていたら、人は興味を失ってやらなくなってしまいます。適度に難しいからこそ時間を費やしてでもやろうと思うのです。

たまに思いがけない報酬がある「部分強化」のようなパターンは、当たったときの快感が大きくなるため、喜びが忘れられずに、まるで麻酔のように依存していってしまうのです。

大きなお金のためではなく、動機は些細な快感を味わうためです。なのに、気づけば大きなお金を失う羽目になる……。当たったときの金額が大きい宝くじは家族が崩壊したなどという話はそれほど多くありません。なぜでしょうか?

宝くじが依存症にならないのはなぜ?

部分強化が麻薬のように危険だというのなら、宝くじも同じように思えます。しかし、宝くじに夢中になってお金を失い家族崩壊という例はほとんどありません。なぜでしょうか?

それは、宝くじが一部の商品を除いて、当選結果がわかるまで日数がかかるということが大きな理由になっています。

夢中になるちょうど良いタイミングで注意を逸らされる(日数がかかるので忘れちゃう)ことが、中毒を回避につながっているのです。

宝くじの場合は、1等に当選して何億円もの大金を手にすることで、金銭感覚が狂ったり、人間関係がおかしくなったりすることのほうが怖いと言えるでしょう。

パチンコや競馬などのギャンブルは、始まってすぐに結果がわかってしまうので、つい熱くなって少しずつ賭ける金額も増えていってしまいます。気がついたときには負けが込んでおり、取り返すのも無理がある金額になっている…というのが怖いところです。

じゃんけんの予想が面白くない理由は?

賭けをしてから結果がわかるまでの時間が短いゲームという点では、じゃんけんも当てはまります。

しかし、じゃんけんの場合は運の要素が強すぎて、人はあまり興味を持ちません。運任せ過ぎてやってもしょうがないと思ってしまいます。

競馬、競輪のようにあれこれ考えた結果、「自分の予想が当たった」と快感を得られるもの、自己効力感を感じられるものに、人はより強く惹きつけられるのです。

冷静さを失って一発逆転を期待してしまうのはなぜ?

「部分強化」の中でも、報酬の額が変動するものを「不定率強化」といいます。大勝ちがあるパチンコや競馬などは不定率強化であり、最も人がハマりやすいパターンと言われています。

勝つ(儲かる)金額が大きく変動することの何が問題かというと、例えば、「今はこれだけ負けている(外れている)のだから、そろそろ来る(当たる)だろう」という発想につながってしまうことです。

小さく負けているときは、次に当たりが来てもそれほど大きくはないような予感がし、負ける金額が大きくなってくると、当たったときの金額もつい期待してしまうのです。

誰でも罠に引っかかる可能性がある

これは根拠のないただの思い込みなのですが、負けが込んで周りが見えていないと、確率的に正しい発想のように感じてしまうという恐ろしさがあります。

そして、「この一発が当たれば、今までの負けが全部チャラになるぞ」と期待して、有り金を全部賭けてしまったりするのです。

当たっても決まった額しか出ない「定率強化」のルールで行われるゲームであれば、負けが込んでいても有り金を全部賭けるようなことは普通しません。冷静に考えれば当然のことです。

一発逆転が「あり得る」となると、確率的に現実味がなくても、金額的にも全然割に合わないにも関わらず、人は無謀なことを平気でしてしまうのです。

「人は簡単に興奮して、冷静さを失ってしまう」というのは覚えておきましょう。今はギャンブルに興味がないとしても、ちょっとしたきっかけでハマってしまう可能性を持っています。