ニートや引きこもりになる人の心理とは
ニートや引きこもりになってしまう人は、学生時代の挫折や社会人になって理想と現実のギャップに悩んだりして精神的なダメージを受けることが原因となります。
精神疾患のような病気が原因の場合、部外者が思っているよりも社会復帰は難しいことが多いものです。
「怠けている」と形容されることがありますが、現実は違っており、本人は焦燥感や不安感に苦しんでいるケースが多いということを認識する必要があります。
引きこもりとは
引きこもりとは、「6ヶ月以上、自宅や自室に引きこもったまま、学校や会社などに行かず、社会参加をしていない人」のことを指し、日本国内全体では約70万人いると推定されます。
ひきこもりの定義には2つあり、
「自室からほとんど出ない」または「自室からは出るが、家からは出ない」者は狭義のひきこもり、
「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」者を広義のひきこもり
とされています。狭義のひきこもりが約25万人、広義のひきこもりは約45万人となっています。
また引きこもりは原因によって2つのタイプに分けることができます。
1つは、うつ病や神経症、学習障害などの精神疾患が原因で引きこもりになっているケース。病気のために社会参加ができない状態です。
そして、もう1つは精神疾患が原因でないケース。世間一般に引きこもりというときはこちらを意味することが多いです。6~8割は男性が占めており、高学歴の家族が多いのも特徴となっています。
ひきこもりではない、健康的な生活を送っている人の感覚では、「病気ではないにも関わらず、家の中にひきこもっているからひきこもり」というニュアンスがあるようです。
ニートとは
ニートとは、「学校に通学せず、独身で、収入を伴う仕事をしていない15~34歳」を指し、別名・若年無業者とも言われます。
内閣府が発表した調査では、2000年以降はニートに分類される人は約55~60万人で推移しています。
ニートになるきっかけとしては、学生時代の挫折や、社会人になった後に会社で理想と現実のギャップに対応できず、といった理由が多くなっています。
中には、ケガや病気などで働ける健康状態にない人や、日本語を母国語としないため就職が難しい人、学校に通えるだけの経済力がない人たちもいます。
全員が怠けている訳ではない
引きこもりとニート。この両者に共通しているのは、「怠けている」「甘えている」という否定的なニュアンスで語られている点です。
そもそも、一般庶民が世間話で語られるとき、病気やケガが理由で仕事ができなかったり家から出られない人のことをひきこもりやニートとは呼びません。そのため、余計に否定的なニュアンスが強まっているともいえます。
しかし、彼らは全員が甘えているわけでも怠けているわけでもありません。むしろ現状に対して強い不安感や劣等感をもっており、それが理由で社会参加が難しくなっているという悪循環に陥っていしまうケースが多いです。
無責任な外野が抱く勝手なイメージが広まることは社会全体で見ると良いことはひとつもありません。
家族だけで解決するのは難しい
家族間で解決をしようとして、焦ってしまったり食い違いが起きてしまうことが多いので、専門家のサポートを借りるほうが賢明です。
骨折や内臓の異常など、重い病気は病院で治すように、ひきこもりやニートの心の問題も第3者の力を借りるべきなのです。
たとえば、うつ病はメンタルが豆腐のように弱い人がなる病気なのではなく、メンタルが豆腐のように弱くなってしまうのがうつ病である、と言われます。しかし、うつ病患者の家族でも「うつ病はメンタルが豆腐のように弱い人がなるものだ」という認識でいることが多いです。
「怠けているだけだ。気合でなんとかしろ」「頑張れ。お前は負けない心を持っている」といった言葉を平気でかける家族も多いのですが、本人の症状に対する認識がズレているとかえって逆効果です。治るものも治りません。