無料をお得だと感じてしまう人の心理

無料に弱い人の心理

無料(タダ)が好きな人は、一言でいえば「騙されやすい人」です。

なぜかというと、世の中の多くの無料ものは、結果的にあとで対価を支払うようになっているものがほとんどだからです。

対価というのはお金だけではありません。自分の時間も含まれています

そのことに気づかずに無料に手を出してしまう人が実はとても多いのです。

ではありません。むしろ贅沢です。

自分の時間を安売りしているのです。これは相対的に見ればかなり損をしています。

損をするのが自分だけならまだ良いのですが、それだけでなく他人の時間を奪うことだけはしないようにしなければなりません。

「時は金なり」と無料は相性が悪い

Time is money 時は金なり、という言葉があります。

このことをはっきりと意識して過ごしている人はあまり多くないでしょう。

掃除、洗濯、炊事といった家事に1日1時間費やしたとします。失うお金はありませんが、その時間あなたの収入は0です。

代わりに自分の仕事をしたら、何かしら収入に繋がるでしょう。将来に向けて勉強してもいいし、英気を養うために美味しいものを食べに行ってもいい。

もし、家事代行サービス1時間2,000円をもったいないと思うなら、あなたは自分の時給を2,000円未満として見積もっていることになります。

家事をすることがいけないというわけではありません。家事が気分転換になることもあるでしょう。

重要なのは、どれだけ自分の時間を大切に考えて行動しているかということです。

お返しをしないと気持ち悪くなる理由

心理学には「返報性の原理」という有名な法則があります。

相手になにかしてもらったら、何かお返しをしないといけない、という強い気持ちが生まれるのです。

義理人情・礼儀慣習よりも強力な法則

お歳暮やお中元、結婚祝いや出産祝いへのお返しは、義理や常識で行っているわけではありません。この「返報性の原理」に基づいています。

なぜ、みんな律儀にリストまで作って急いでお返しを贈るのでしょうか??

さっさと済ませないと気持ち悪いからなのです。

そしてこの法則は非常に強力で、ビジネスの様々なシーンで利用されています。あなたの日常的な買い物や遊びにも関わってきます。

はじめは無料でも成立してしまう商売

「せっかく無料なのだから……」という気持ちのおかげで、様々な無料の罠にハマってしまう人はとても多いです。

というか、これはあとで買ってもらうことができるとわかっているから、その種まきを効率的に広くやるために行われています。

仕掛ける側からすると、100人にアプローチして99人がダメでも100人目が買ってくれたら採算が取れるのだから、痛くもかゆくもありません。

デパ地下の試食や化粧品のお試し

デパ地下の試食や、初回キャンペーンなどでついてくる試供品。これらの試みは実際に商品を買ってもらうために行われています。

一度食べてしまうと、商品を買わないと悪い気がしてきます。自分がケチなんじゃないかと思い始める人も……このモヤモヤをもみ消すのは至難の業です。

化粧品などのお試しセット。よくわかならい状態で買って文句を言われるよりも、実際に試してみて納得した上で継続利用してくれたほうが企業も嬉しいのです。

健康な肌の人であれば、どうせどれを使っても大差はないはずですが、試しに使ったものが特に問題がなければその後の選択コストを考えると、継続利用したほうが楽です。

無料の牛丼屋に並ぶ人

とある牛丼チェーン店と通信会社のコラボで、牛丼が無料になるキャンペーンがありましたが大人気でした(アイスなんかもあった)。一見お得なように思えますがこれは、行列に並んだあなたの1~2時間の価値が300円である、ということと同じ意味になります。

その間に勉強したり、仕事をするほうがはるかに自分のためになるでしょう。自分を安売りしてないか、考え直すべきです。

インターネットのコンテンツは無料ではない

テレビがCMで成り立っているのは多くの人がわかっているどですが、インターネット上のコンテンツ(動画やゲームアプリ、ニュースサイト・ブログなど)は無料であるべき、という意識を持っている人が多いようです。

事実、無料で見られる動画や漫画に多くの人が群がります。

これは大変な時間泥棒です。夢中になりやすく気づかない間にどんどん時間が過ぎていきます。

探す時間>買うお金

買えば数百円で済むのに、わざわざ無料で見られるものを探し続けたせいで膨大な時間をとられた経験はないでしょうか?結局見つからなくてお金を払う羽目になったことはありませんか?

さほど自分に関係ないニュースなのに、最先端っぽい、などと思って無駄に追いかけたりしていませんか?

こうしたコンテンツの多くは広告収入で成り立っており、そのサイトに長く滞在すればするほど何かしら広告を踏んで商品を購入したりサービスに申し込んでしまう傾向にあります。たとえその日は何もしなくても、サイトで閲覧した広告がきっかけで後日商品の購入に至ることも。これ自体で損かどうかを決めるのは難しいですが、その商品が「本当に欲しかったものなのか」自分の胸に手を当てて考える必要はあるでしょう。

ゲームはハマるようにできている

スマホのゲームも同様です。はじめは無料でなんとなくやっていたのにだんだんハマってきて課金アイテムに手を出す……。

ゲームというのは「ハマるように」作ってあります。手を出した瞬間からあなたはずっと狙われているのです。

勉強も無料で済ませたい

英語やプログラミングの勉強が無料で出来るサイトやその方法を紹介しているサイトや記事も大人気です。

無料の教材を探し回るよりも、長い間多くの人に使われている評判の良い書籍を読んで体系的に学ぶほうが近道です。スクールに通ったり、いっそのこと仕事にして力をつける道もあります。

しかし、多くの人が「まずは触りだけで……」といって無料を選びます。

未来の自分への投資とは何か、しっかりと考える必要があるでしょう。

保険・弁護士の無料相談

保険や中古車買取の相談も無料が当たり前。弁護士やコンサルへの相談も同様に無料だと思っている人が多いです。

彼らはプロですから最終的に利益を出すノウハウを持っています。一度対面で会って親切にされてしまうと、いざ契約するときはその人(会社)にお願いしないとなんだか気持ち悪いと思えてきてしまいます。挙句の果てに「初めからお願いするつもりだったから……」などと自分を正当化しようとします。

結局、無料は贅沢

このような「無料好き」の人たちは、ある意味ではとても気前の良い人たちです。ケチではありません。むしろ贅沢です。

自分の時間を安売りしているのです。これは相対的に見ればかなり損をしています。

損をするのが自分だけならまだ良いのですが、それだけでなく他人の時間を奪うことだけはしないようにしなければなりません。